近隣住区型高経年団地の基本構造の改善による持続性と再生力の醸成

　対象地域は、少子高齢化の人口構造及び商業センターの魅力の欠如等の問題を抱える高経年の郊外団地であるが、様々な要因から建替えによる住環境の改善は難しい状況にある。

　本提案は、建物躯体の改善を最小限にとどめ、団地の空き店舗を活用し、近隣大学の留学生等の若者を呼び入れ、シャッター店舗化・陳腐化するセンターを住民の活動やアートを中心とした「ビジネスセンター」に転換する。

　以上を通じて、人口若返りの検証、地域活力の持続性の確保にかかる技術の検証を行い、その効果を対外的に情報発信する。

概要資料（PDF）

　提案者の長年の団地再生に取り組む経験を活かし、空きスペースを活用した地域活性化の取り組みは、団地の実情に応じた実効性のある提案で評価できる。

　しかしながら、団地に留学生を集住させる提案は、団地を若返えさせるプラスの作用が見込まれる一方、長期的なコミュニティ形成に考えると、学生以外の世帯の定住を促す視野も入れる必要がある。さらに中高年主婦層の活力の発揮はアート活動だけでない可能性も考えられる。

　本提案では、事業の参画者に対して、提案者が想定する役割を期待するだけでなく、事業を通じて、個々の人の得意なことに合わせた様々な可能性を見出し、幅広いコミュニティビジネスを展開していくことが望まれる。