地域課題をつなぎ、分け隔てなく皆が交わる小さなまちの実現

　本提案の対象地は、高齢化率の上昇が顕著で、介護の担い手の逼迫が課題である。また、全国平均と比べ世帯年収が低く、貧困児問題も抱えている。
　本提案は、大規模公園に隣接した立地で、サービス付き高齢者向け住宅・通所介護・児童発達支援・民間学童保育を同一建物内に整備し、高齢者・障害児・健常児、それぞれが存在を感じて暮らせる環境を創出するもので、交流スペース・相談室・カフェの整備、こども食堂・介護セミナー等のイベント開催により、地域住民も巻き込んだ交流を促進し、自分たちで解決できる地域づくりを目指している。
　また、読み聞かせを軸とした高齢者と障害児の継続的交流や、障害児教育カリキュラムへの STEM 教育の導入について、効果の検証も行う。

概要資料（PDF）

　高齢者・障害児・健常児等、それぞれ専門性を持った組織が連携して多世代の拠点を整備することは評価でき、また IoT の活用や STEM 教育の導入等、先導性の高い提案である。
　空間計画も多様な人々の交流や周辺環境を意識してよく考えられている。
ただし、サービス付き高齢者向け住宅の住戸プランは画一的で、多様な高齢
世帯属性やライフスタイルを受け入れるための工夫の余地がある。
　また、在宅の看取り等、高齢者が自宅で住み続けるために配慮すべき視点
も本事業を進める中で検討されることを期待する。