歴史あるまち並みで活き活きと暮らす丘の上ウェルネスタウン

• 飯田市橋北地区は人口減少・高齢化が進んでおり、一人暮らし高齢者も多い。また医療施設の立地が悪く徒歩・自転車での往来が困難で、福祉施設が当該地区周辺には1件のみと少ない上、所得水準が低いため医療・介護に費用がかけられない現状がある。
• 地域の課題としては、人口減少に伴う都市の空洞化による駐車場の増加、古いまち並みの保存・再生・活用に関する計画の停滞、地区周辺への郊外型大型店舗の進出による商店街の荒廃等が挙げられる。また、近くに保育園・幼稚園がありながらも交流の場がないことも課題。

•  歴史ある中心市街地内の空き地と蔵を活用し、サービス付き高齢者向け住宅を中心とした地域包括ケア複合施設をまち並みに配慮して整備するとともに、蔵をカフェレストランとして再生利用。これらの施設を拠点とした地域交流にも取り組む。

＜ハード面の取組＞

• 地域包括ケア複合施設「ウェルネスタウン丘の上」

• サービス付き高齢者向け住宅「ウェルネスタウン丘の上」（36戸）：住戸面積18.63〜61.77m2。
• 1階に診療所、通所リハビリテーション、訪問介護・看護ステーション、交流サロンを併設。
• 2階にヘアサロン（テナント）

• 蔵の改修（テナント商業施設）　　＊当事業外（提案者の自己資金による）

• 1階：カフェレストラン「KURANO」（テナント）
• 2階は現在未利用

＜ソフト面の取組＞

• サ高住に診療所、通所リハビリテーション、訪問介護・看護ステーションを併設し、入居者は必要に応じて医療・介護サービスを受けることができ、地域の医療・介護サービス拠点の役割も担う。
• 健康増進、生活習慣病予防を目的としてフィットネスクラブを開設。市との共催イベント（ウォーキング講座等）も開催。
• 交流サロン、敷地内のイベント広場・こども広場、蔵のカフェレストラン等を入居者および地域交流の場とし、イベントやコンサートを実施。
• 施設の屋根に太陽光パネルを設置し、得られた収益を地域に還元。

• この地域包括ケア複合施設の設置により、高齢者の医療と福祉の連携、さらには地域との交流拠点をつくることができた。
• サ高住は現在満室。幼稚園との多世代交流のほか、地域住民との交流の機会も多く、入居者の満足度も高い。
• 通所リハビリテーションは計画通り稼働し、利用者の満足度も高く、カンファレンスを随時行うことで他事業所・多職種連携も図られている。
• メディカルフィットネスの会員数は当初想定より少ないが、利用者満足度は非常に高く、市と連携した健康増進活動にも取り組んでいる。
• 交流サロンは入居者と地域住民の憩いと交流の場として、コンサートや各種教室、会議など様々な用途で幅広く活用されている。
• 蔵のカフェレストランはサ高住の食事提供も担う。評判は良く、イベント等も行っている。

• 蔵の改修に予定していた補助金（経産省）を使えず収支に響いているが、観光客の呼び込みなど未来のわくわく感を持った拠点になり得るので、空いている2階のテナントも文化発信できるような利用を考えたい。
• フィットネスでは市との共催事業や様々な教室を展開しており、地域で運動を身近に感じてもらえるフィットネスを提供していきたい。またメディカルフィットネスは地域では他にないので、その要素を強く押し出しつつ、親しみやすいフィットネスや運動教室をやっていきたい。

配置図・平面図等一式（PDF）

「ウェルネスタウン丘の上」　基本データ
【住宅・施設の形態】サービス付き高齢者向け住宅 
【敷地面積】 3,716.11m2
【延床面積】 2,830.67m2
【構造・階数】 鉄骨造3階
【住戸面積・住戸数】 18.63m2～61.77m2・36戸
【住戸内設備】 　Ａタイプ　トイレ、洗面、収納　Ｂ・Ｃタイプ　完備
【共同利用設備】 ２・３階　食堂、浴室、トランクルーム、コインランドリー
【管理開始年月日】　平成29年7月
【家賃】 65,000円～150,000円
【共益費】 30,000円～50,000円
【管理費】 21,600円
【食費】 -
【入居状況】　満室
【平均年齢】 　87.2歳
【平均要介護度】　要支援2.3
【スタッフ体制】 相談員5名

• フォローアップ調査の報告書（PDF）
• 検証報告（PDF）