聴覚に障害のある高齢者が安心・安全に生活する住まい環境の整備

• 道内に聴覚障がい者向けの高齢者生活支援施設は１箇所のみ。市内には聴覚障がい者支援のための専門的な知識やコミュニケーション技術を要する生活支援施設がなく、住み慣れた地域に住み続けられない。
• 一般の高齢者施設に入所する場合、常駐スタッフとのコミュニケーション不足が懸念される他、聴覚障害者は何に困っているかが周囲に伝わりにくいため、支援の要否が理解されにくい。

• 聴覚障がい者対応のサービス付き高齢者向け住宅と小規模多機能型居宅介護事業所を整備し、地域とのつながりづくりにも取り組む。

＜ハード面の取組＞

• 聴覚障害者対応のサービス付き高齢者向け住宅「ほほえみの郷」（20戸）：住戸面積18.00〜25.26m2。聴覚障害者用屋内信号灯（フラッシュランプ）、非常時などの聴覚障害者用の情報伝達機器を設置。またエレベーター扉や居室等の扉に小窓（曇りガラス等）を設置。
• 小規模多機能型居宅介護事業所「ほほえみ手稲」

＜ソフト面の取組＞

• 介護の専門的知識・技術に加え、最低でも手話奉仕員養成の入門課程を修了したスタッフがサービスを提供。地域活動支援センター等、各種事業と連携しつつ、生活環境の充実を図る。
• 近隣住民との関係づくりへの取り組み：「ほほえみ手稲」の運営推進会議における町内会との意見交換、町内会向けの研修会の開催等。

• ハード・ソフト面での聴覚障がい者への対応により、様々な聴覚障がいの高齢者が入居（入居者のコミュニケーションの状況：聞こえない方22名（うち、手話18名、全盲ろう1名、触手話・口話・筆談３名）、全盲で聞こえる方１名）。手話が通じる、コミュニケーションができることが、入居者の大きな安心につながっている。
• 併設の介護サービスや、町中の様々な福祉サービスを選択し利用して居住することができる（近隣の通所リハビリ、聴覚障害者支援の就労継続支援B型事業所の利用等）。
• 周辺地域とのつながりが少しずつ広がりつつある。
• 町内会の研修会で「災害対策への基礎知識、高齢者・障がい者に必要な災害への備え」の講座の開設
• 手話サークルとの交流

• 広く地域の方々に理解・協力を得て、聴覚障害者が地域の一員として豊かな生活ができる環境の実現に向けて、共通言語を「手話」とするサロン化を目指す。まずは健康や介護、趣味活動の学びの場を設けることで、少しずつ顔見知りを増やしネットワークを構築していきたい。

配置図・平面図等一式（PDF）

「ほほえみの郷」　基本データ
【住宅・施設の形態】サービス付き高齢者向け住宅 
【敷地面積】 439.26m2
【延床面積】 801.03m2
【構造・階数】 ＲＣ造　3階
【住戸面積・住戸数】 18.00m2～25.26m2・20戸
【住戸内設備】 　トイレ、洗面、収納
【共同利用設備】 食堂、浴室、台所、洗濯室
【管理開始年月日】　平成29年4月
【家賃】 36,000円～50,000円
【共益費】 27,000円～48,000円
【サービス費】 10,000円
【食費】 42,000円
【入居状況】　満室
【平均年齢】 　82.3歳
【平均要介護度】　要支援2.47
【スタッフ体制】 管理者1名、ケアマネジャー1名、看護師2名、介護職員9名、所長兼相談員1名

• フォローアップ調査の報告書（PDF）
• 検証報告（PDF）