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埼玉県 子育て共助のまち普及モデル

事業・評価の概要

プロジェクト名称 埼玉県 子育て共助のまち普及モデル
代表提案者 積水ハウス株式会社
共同提案者 特定非営利活動法人子育て支援家庭センターあいくる、特定非営利活動法人まちづくりサポートネット元気な入間
対象地域 埼玉県入間市
選定年度 2014年度
事業タイプ
事業概要

戸建住宅の分譲を手掛ける株式会社が、高齢者世帯向け住宅2戸と子育て世帯向け住宅14戸、オープンスペース等が計画的に配置された住宅地を整備し、高齢者による子どもたちの見守りなど、子育てに係る「共助」の効果を検証する。

概要資料 概要資料(PDF)

評価概要(評価委員会での評価)

子育て世帯と高齢者世帯の住宅配置を工夫することで、コミュニティ形成と地域社会の共助を目指しており、その効果の検証方法や、地域のNPO法人との連携による普及啓発についても具体性が見られる提案である。

備考

※事業概要や評価概要等は選定時の内容であり、実際と異なる場合があります。

事業のフォローアップ

(1)取り組みの背景
  • 「血縁」の希薄化、出産後も働く女性の増加により、子育ては「孤育て」化している。また「地縁」も薄れつつあり、地域の共同体が町ぐるみで子どもたちを見守り、お互い相談し、分担し合える環境はなくなり、子育てが地域でできない状況にある。現在は価値観の共有による「知縁」という選択肢も増えたが、育児支援体制の充実は社会全体の課題といえる。
  • 埼玉県では合計特殊出生率全国第44位と低い値であることを受け、県は子育て世代が魅力を感じる住宅の普及促進に取り組んでいる。更なる取り組みとして、コミュニティを単位とした子育てに係る共助の仕組みの普及を目指し、モデル住宅団地の整備を目的とした事業プロポーザルが実施された。そこで選ばれた提案が本提案となる。
(2)取り組み内容
  • 2,967m2の土地に16戸の分譲住宅を建設するにあたり、住宅において子育て世帯に対応する工夫を行うとともに、コミュニティの核となる小広場「ひとえんコモン」をつくり、その前の建売住宅を「ひとえんラボ」として半年間公開し、「共助」を促す取り組みを実施。

<ハード面の取組>

  • 住宅地の配置:街区内の通り抜け交通を抑制した雁行型道路形状とし、雁行部分に道路内緑地を設け「みち広場」化し、「ひとえんコモン」として提供。
  • 注文住宅における子育て・子育ちの提案:育児のしやすさ、家事負担の軽減、安心・安全への配慮、親子のコミュニケーションへの配慮等
  • 「ひとえんコモン」前の区画を「ひとえんラボ」として、「ひとえんコモン」の見守りが可能な間取りの住戸を整備(建売住宅)

<ソフト面の取組>

  • 「ひとえんラボ」:共助の町のコンセプトを示すモデル棟として、完成から半年間一般に公開し、イベント等にも活用。
  • コミュニティ創出を目的として、以下のイベントを実施。また、これらの取り組みを情報誌「ひとえん通信」として周辺世帯等へ全3回配布。

1.   オープニングイベント:コンセプト説明、見学等

2.   地元の産業への理解を深める『茶摘み体験』(購入検討者対象)

3.「ひとえんラボ」においてNPO法人『あいくる』が子育てひろば「はぴはぴ」を運営(3ヶ月間、毎月第

     1・2・3木曜日)

4.    NPO法人『あいくる』が「ひとえんコモン」でフリーマーケットを開催

(3)取り組みの成果
  • 小規模の住宅地では住宅地内に固有のコミュニティスペースを設けることは困難だが、道路計画を工夫して「ひとえんコモン」をつくったことに加え、建売住宅「ひとえんラボ」を公開しその住宅を活用したイベントを行い、「共助」の仕組みをかたちにすることができた。
  • 「ひとえんラボ」の公開と情報誌「ひとえん通信」の発行により、多くの方が実際に来られたり、知ってもらう機会を創出することができ、たくさんの意見をもらうことができた。
  • 子育て支援を長年実施しているNPOがイベントや子育てひろばを開催することにより、そのネットワークを活かして盛況だった。
  • 「埼玉共助のまちモデル」がマスコミに取り上げられたことで、他の自治体から注目され、事業受注にもつながっている。
(4)今後の取り組みの方向性・課題
  • 建売住宅を拠点とした取り組みとなると、販売スケジュール上、公開期間が制限されてしまうため、実際の入居者に参加してもらうことが困難だった。イベント実施のタイミングや開催形態について、今後は検討していくことが必要。
  • 入居者アンケートから、コミュニティ醸成のためのイベントへの参加意向は非常に高く、そうしたイベント実施に協力する意向も半分の方にあることがわかったため、上手く入居者との連携を取りながら企画を行い、コミュニティ醸成のきっかけづくりを行うことが、自然な見守りのある「共助のまち」に繋がっていくものと考えられる。
(5)配置図、平面図等

配置図・平面図等 配置図・平面図等一式(PDF)

(6)建物諸元等
(7)事業者からひとこと
備考

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