住み替え循環の促進による郊外住宅地再生プロジェクト

• 郊外住宅地である本地域は、世帯人員の減少に対して土地・建物の規模が大きく、高齢者にとって庭の管理や高低差のある地域内移動が困難になっている。地域内高齢者の8割が地域に住み続けたい意向を持つが、高齢者向け住宅が少ないことや、若年層にとっては戸建住宅等価格に手が届かない住まいが多いこと等、住まいと居住者のミスマッチが発生している。
• 高齢者施設や保育施設が駅から遠く、駅付近の高齢者施設・保育施設へのニーズが高まっている。
• 高齢者の増加から単一世代間の助け合いが多くなったことで、助けを求める“需要”と支援する“担い手”がバランスせず地域コミュニティが膠着化している。

• 駅前再開発により、若年層が住み始めやすい賃貸集合住宅、サービス付き高齢者向け住宅および高齢者施設、保育施設を整備し、住み替え相談窓口の設置などにより住み替え循環の促進に取り組む。

＜ハード面の取組＞

• 賃貸マンション「KNOCKSみなまきみらい」（65戸）：住戸面積28.52〜54.28m2。1階に認可保育園、学童保育を併設。
• サービス付き高齢者向け住宅「グランドマストみなまきみらい」（57戸）：住戸面積32.62〜59.79m2。1階にデイサービス、訪問介護・看護事業所を併設。

＜ソフト面の取組＞

• 南万騎が原駅前に、住み替えに係る相談窓口を設置：相鉄土地活用サービスセンター（相談受付カウンター、H28.10〜29.9の間週5日開設）。相鉄ライフ南万騎が原内コミュニティスペース「みなまきラボ」（住み替え相談ラウンジ、H28.10〜30.3の間週1〜2日開設）。
• 住み替え相談セミナーやイベントの実施：高齢者（アクティブシニア）をターゲットとしたセミナー、住まい方をテーマにしたセミナー、ファミリー向け大規模イベント
• 映像による街の紹介動画や専用ホームページを制作し、取り組みの情報提供を行う。

• 相鉄グループが軸となり、多くの事業者が関わって、住まいと介護・医療や保育等のサービス等、複合的なインフラを整備することができた。
• 賃貸マンション「KNOCKSみなまきみらい」はほぼ満室。若年夫婦が4割、子どものいる世帯は1割。
• サ高住「グランドマストみなまきみらい」は57戸中48戸入居。夫婦と単身者の割合は3対7、自立が5割。
• 賃貸マンション、サ高住ともに多くは地区外からの転入だが、親や子どもとの近居を動機として住み替えた人も多い。
• 整備された各施設の利用は進んでいるが、住み替え循環の促進という点では、まだ目立った成果は上がっていない。しかし駅前拠点の充実によって「高齢者が活躍し、若年層が居住したくなる環境の創出」という第1目標は達成された。

• 地域の相談窓口でもある「みなまきラボ」の活動や住み替え支援等のサービスを継続し、高齢者世帯にとっても若者世帯にとっても定住意向が高く、安心して住み続けたいみなまきみらいの実現を図っていきたい。
• 住み替え循環の促進においては、高齢者が元気なうちに住み替える「自立型」のサービス付き高齢者向け住宅の価値を把握し、戸建居住の高齢者へアピールしていくことが課題。

配置図・平面図等一式（PDF）

「グランドマストみなまきみらい」　基本データ
【住宅・施設の形態】サービス付き高齢者向け住宅 
【敷地面積】 1433.17m2
【延床面積】 4081.43m2
【構造・階数】 鉄筋コンクリート造6階建
【住戸面積・住戸数】 32.62m2～59.79m2・57戸
【住戸内設備】 　完備
【共同利用設備】 1階　食堂
【管理開始年月日】　平成29年7月15日
【家賃】 112,000円～224,000円
【共益費】 20,000円
【管理費】 35,000円～52,500円
【食費】 42,120円
【入居状況】　48戸
【平均年齢】 　84.11歳
【平均要介護度】　自立50％、要支援30％、要介護20％
【スタッフ体制】 相談員1名

• フォローアップ調査の報告書（PDF）
• 検証報告（PDF）