地域の多世代交流の起点となる「みんなの居場所」づくりプロジェクト

広島市の中心部に位置する対象地域は、子育て世帯が多い地域だが、地域コミュニティが衰退し、こどもを地域で守り育てる環境が十分とはいえない。また、単身高齢者の社会的孤立などの問題を抱えている。
本提案は、高齢者、ひとり親世帯、大学生などの多世代型住宅を整備し、低層階には地域に開放された施設（こども食堂、多目的スペース等）を整備し、入居者や地域住民が集い、多世代の交流、地域でこどもを育てる環境づくりなどを行う。こども食堂などは地域NPOと連携して運営し、本提案の取組みの成果については、広島大学と連携して技術・手法の検証を行う。

概要資料（PDF）

高齢者の資産管理、終活サポートを取組む代表提案者が、登録会員と形成したコミュニティを活かしながら、市街地の中心部で、子育て世帯や大学生を含めた地域のコミュニティの構築を目指す取り組みは興味深い。こども食堂を運営するNPO、技術・手法の検証のための大学との連携体制は実効性が高い提案である。
一方、提案に示されている多世代型住宅のハード面の工夫、大学と連携した技術検証について、具体的な内容を詰める余地がある。
また入居者の募集について、高齢者のルートは明確だが、その他の世帯については、ルートの構築が課題である。開設後、偏った入居者属性にならず、コミュニティバランスを確保できるような募集ルートの確保が望まれる。