分散型サ高住の実現に向けた事業育成の検討

　不動産業者にとって古く安い賃貸住宅はビジネス上のメリットが少なく、放置されがちだが、これらストックを活用し、入居者の安否確認できる仕組みを講じることで、 住宅確保が困難な高齢者の住まいの選択肢 は 広がる 。
　提案者は、東京都西東京市において、地域 交流センターを設置した「 シニア向けシェアハウス 」を整備したが、本提案は この拠点を核に、地域のアパートの空き室を活用した、見守り付きの「分散型サ高住 」を展開することを目的に、当地域における分散型サ高住に対する需要 、必要なサポート内容や実施体制、さらに候補物件の調査を実施する。

概要資料（PDF）

　分散型サ高住は、高齢者が自宅で住み続けるための仕組みとしての解決策のひとつで、効率的に サービス提供ができる 団地等での先行事例はあるものの 、既成市街地においては実績が少ないため 、本調査事業を行うことの目的や意義は評価できる。
　また、分散型サ高住の普及に向けた課題（例えば、 サービス 提供の非効率
性、 家主等のサービス提供にあたる交渉対象が 多義に渡ること、賃料設計の合理性等）について 、フィージビリティスタディを通じて整理することは大変に意義がある。
　一方で 、当該事業を実施するにあたり、具体的な調査の方法論が明確に詰め切れていないため 、作業仮説を設定し、深堀すべき課題の抽出等、実行に向けた計画を具体的に検討されたい。